【コース体験記】実に奥が深いタイポグラフィ
2016.03.05
セントマーチンズ短期コース
今回のコース体験記はセントマーチンズのショートコースのグラフィックデザイン分野において人気の高いタイポグラフィ(Typography)です。
wikipediaによると、、、
タイポグラフィ(英: typography)は、活字(あるいは一定の文字の形状を複製し反復使用して印刷するための媒体)を用い、それを適切に配列することで、印刷物における文字の体裁を整える技芸である。
んー、なんのこっちゃ。よくわかりません。
馴染みのあるものだと、文字・フォントのデザインですね。
(携帯電話しか使わない若者にはこれまたピンとこないのかもしれませんが・・・)
例えばこのフォント↓↓↓
このフォントをみるとなんか思い浮かびません?『D』と『W』が特徴的ですね。
そうです、ディズニー風のフォントです。
ユニバーサルスタジオジャパンがこのフォントを使ってたらおかしいでしょ?
このフォントはやっぱディズニーでしょ?
ディズニー大好きな知人の結婚式では、配布された冊子の表紙の文字はこのフォントを使っていました。
どのフォントを使うかで人に与える印象が変わります。
最近テレビを観ていて実感したのは、サッカー日本代表がリオオリンピックへの出場を決めた時。
左は書道の手書き風、右はゴシック(かな?)。
私は個人的には左の方が力強さを感じるので好きですね。
欧文タイポの例も出してみましょうか。
このようなフォント自体を新しく生み出す、デザインするのが芸術大学でのタイポグラフィーです。
先日セントマーチンズのショートコースでタイポグラフィーのコースを受講した田中さんが、授業内でデザインした作品を送ってきてくれました。
先生から言葉が与えられ、その言葉を『T Y P E』の4文字を使って表現するというプロジェクト。
先生からのお題で出されたのは『Confused』 『Hidden』 『Speed』 『Twisted』など。
どの言葉がどのデザインか考えてみましょう!
ショートコースとは言え、タイポグラフィーのコースではデザインだけでなく講義の時間もあります。
フォントの由来のお話が出てくるので、ヨーロッパの歴史や教養がないとついていくのが難しいです。(もちろん英語力も。)
これは15世紀の中頃にドイツのグーテンベルクが発明した書体でゲルマン族の一部族である「Goth(=ゴート人の)」が由来。
その名の通り、イギリスのタイムズ紙が新聞用書体として1932年に開発した書体
そして、よくユニコンがロンドン芸術大学説明会などでも例として話すのが日本の某売れっ子グラフィックデザイナーが日本の某大学のロゴデザインで使用したMason(メイソン)というフォント。
このMasonというフォントは六本木ヒルズのコーポレートデザインも担当するイギリス人デザイナーのジョナサン・バーンブルック(Jonathan Barnbrook)が1992年に生み出したフォント。
ちなみにジョナサン・ハーンブルックはセントマーチンズ出身です。
このMansonというフォントは米国犯罪史上に残る空前の猟奇連続殺人鬼チャールズ・マンソン(1969年妊娠中の女優シャロン・テートを殺害したことで有名)にちなんで、名付けられたもの。
チャールズ・マンソンはアメリカのミュージシャン、マリリン・マンソンの芸名の由来でもあります。
ロンドン芸大の先生が日本でこの某大学のポスターを見て、「この大学は葬儀関係の大学?」と言ったことがあります。
日本の人気デザイナーがデザインしたロゴですよ~、と説明すると「有名デザイナーがロゴデザインするのに何故既存のフォントを使用する?」と聞かれて回答に困ったことがあります。
タイポグラフィーはグラフィックデザイン分野でとても重要な意味を持ちそして実に奥が深くて面白いですね!
パクらず、コピーせず、真似せず、自分自身の経験とリサーチから生まれたアイデアをビジュアル化し立体案にまで向上(ディベロップ)させる観察力や分析力、リサーチ・スキル、画材の活用法とアイデアの具象化がイギリスのアート&デザインです。