ゴーマンかましてよかですか??
2007.01.01
なに様コラム
ユニコンは総勢5人のスタッフしかいない超小所帯の留学機関だ。
厳密に言えばロンドンに2人そして東京事務所に2人+半人前のバイトが3人なので4.5人ぐらいになる。このスタッフで年間300名以上の学生の入学を扱い、ロンドン芸術大学だけで年間160-180名の学生の入学業務をやっている。こう書くとけっこう忙しいと思いきや意外とそうでもない。それはスタッフが業務に精通していることもあるが、20年以上におよぶ経験を通じ留学生に本当に必要な情報の蓄積と問題処理能力があるからだ。
どんな仕事でもその内容を見ると業務上の問題やクレーム処理に費やされていることが多く、生産性をともなう前向きなことって意外と少ないものだ。ユニコンもその長い歴史の中で、さまざまな問題やクレームの処理に多大の時間を費やしてきた。そこで気付いたのはいわゆる対処する業務のあり方ではなく問題を未然に防ぐための予防業務に重点を置くことが非常に大切だということだった。
学生が抱きがちな疑問や質問を予測した留学マニュアルや外国生活の手引きを充実させることにより事前に多くの問題を解消しておく。そのためにユニコンのマニュアルや手引書は正直に正確にわかり易く率直な内容であるべきで、留学を出発前,留学中,帰国後の3つに分けた時、最も大切な留学中に重点をおいたさまざまな問題の解消を目的としている。場合によっては留学の夢を打ち壊すようなことでもそれが現実であれば敢えて伝える。留学の楽しい部分ばかりに紙面を費やす一般のマニュアル本にありがちなあまり重要とも思えない事項を羅列し情報のページ数だけを増やすようなことはしない。
ユニコンを通り過ぎる多くの学生は、時にこのような姿勢に戸惑いや場合によっては不快な思いをすることもあるに違いない。でも留学に限らず自分の夢を叶えるにはさまざまな困難や試練があるという現実を真正面からぶつけることが大切なのだ。このような姿勢はユニコンが扱う大学に対しても同じだ。
日本の教育や社会に馴染みのない英国人はえてして学生を誤解しがちで、間違ったピント外れのアドバイスをすることも多いし、それが変だなと思っても限られた英語力の日本人学生は反論できないのだ。このような半可通な英国大学や英国人に対しユニコンは警鐘を鳴らしもするし苦言も呈する。それに耳を傾けようとしない英国の教育機関とは付き合わないのがポリシーだ。
「英国全ての大学への入学受付サービス」などを売り物にする機関もあるが、ユニコンは学生に代わって大学を選別しているという自負がある。っていうか何も知らない学生に選択させるというのは無責任だと思う。
英国大学関係者の中でユニコンのことを“リトル・ジャイアント”と呼ぶ人がいる。確かにこんな零細な組織が英国大学全体に留学する日本人学生総数の10%超を扱うというのは誰の目から見ても異常なのかもしれない。豪華な建物,施設も何もない倉庫みたいだと揶揄される事務所に、ハッタリも美辞麗句もない正直なだけの1~2名の社員がいて、高価なカラーのパンフレットではなくPCを駆使した手作りのマニュアルや資料しかなくてもこんなに大勢の学生が来るのはどうしてなのだろう。それは学生が大人社会の表面的な価値基準や常識などに左右されず彼ら自身が見たり聞いたり感じたりしたことを信じることができるからかもしれない。
そういう面では権威や見てくれに騙される大人たちよりも遥かに賢明なのだ。そんな学生たちが集まるユニコンはリトルでもなければジャイアントでもない単にナチュラルなだけなのだ。