ユニコン24時

日本人は受験英語しかできないから・・・のウソ・ホント

2005.11.01

なに様コラム

ユニコンの留学生のほとんどは英国の大学進学を目的としているので、例年多くの学生がIELTS(英国版のTOEFL)という英語テストを受験する。IELTSは英語を読む/書く/話す/聞くの4つの能力で審査する試験でそれぞれが9点満点で表記される。

ユニコンには過去に受験した数百名に及ぶ学生のテスト結果が残っていて、時々それを眺めてはあの学生はいいやつだったとか、いい加減なやつだったなどと思い出にふける。ある時この数百名のテスト結果をみるうちに面白いことに気づいた。先に説明したようにIELTSは4つの能力を審査するのだが、なんと90%以上の学生は 話す/聞く>読む/書く なのだ。日本人の多くが読み書きは良いのだけれど話せないし聞けないという不満を口にするのに、この結果をみるとどうも現実は違う。また英国滞在が長くなればなるほどこの 話す/聞く と 読む/書く のギャップは広がっていく傾向にあることも分かった。つまり日本人は読み書きができないのだ。

そしてある学生にどうして 話す/聞く より 読む/書く が得意だと思うんだと聞くと、例えば

Be careful!

と言われると聞けないが書いてあるのを読むと分かるからと言う。つまり多くの日本人にとっての読みや書きはこういうフレーズのことを指していて、いわゆる内容と自分の意見を伴った作文のことを意味していないのだ。

IELTSのテスト中の書きは250語/150語以内で例えばあるグラフを見てそこから見て取れる自分の想像や意見を作文するもので、決して

This is a pen.

を翻訳しろなどという問題ではない。つまり意見や考えがない読み/書きはありえないわけで、日本人はこれが苦手なのだ。一方話す/聞くはテープを聞いて4択で答える設問と審査官の英国人との面接で判定される。それこそ「あなたはどこから来たの?」だとか「どのくらい英国にいるのか」などの簡単な質疑応答に始まり、それに対して学生が’Japan’だとか’2 years’などと答える。そして話す内容を少しずつ複雑にしていくわけだが、面接なので身振り手振りをいれてコミュニケーションは続く。

話すとか聞くというのは例えそれが正確でなくとも文法がおかしくともなんとなく通じる。’Toilet where’といえば便所は何処だときいているくらい想像がつく。それが話す/聞くということなわけで、平たく言えば通じたかどうかということを見るのだ。どこかの教材の広告で’I get off’は「アゲドウフ(揚げ豆腐)」の方が通じるというのをみたことがあるが、ではこれを作文で’A-GE-DOUFU’と書くバカはいない。つまり単にコミュニケーションを目的に話そして聞くのは難しいことではないし、決して日本人はそれが不得手ではないことをこのIELTSの結果は如実に示している。

気軽に問い合わせ LINE@