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2010年08月30日

2010年8月19日 : 更新のためのビザ申請なら〈財政証明〉の金額が少なくてもいい?
〜 初申請したTier 4 ビザでの就学を終えて次の学校(コース)に進む人へ〜

モデルケース

ユニ子さんは昨年9月にセントマーチンズのファウンデーションに入学、今年の6月にコースを修了して無事に学部からのオファーをゲットしました。現在持っているTier 4は9月末まで有効なので、このままロンドンに残って英国内でTier 4を更新するつもりです。Tier 4を日本で初申請したときは〈財政証明:Maintenance Fee〉に必要な銀行口座の残高は〈£800/月x 9ヵ月〉でした。
最近「更新申請なら2ヵ月分でいいらしい」という風の噂を聞きましたが、これホント?

回答
このところの留学生に対する締め付けぶりは(たとえが悪いけれど)もはや「囚人」扱いです。たとえは悪いけれど、このたとえのほうがわかりやすいと思うのでこのまま続けます。
まず、「2ヵ月分でいいのか?」の質問の答えは「いい」です。が、これはあなたがこれまで模範囚、英語でいえばEstablished Presence(品行方正という意味のビザ用語)であったかどうかによります。
ユニ子さんの場合なら、昨年9月から模範囚として模範的な行いをしていたかどうか…日本で用意してきたお金を使って生活し、学校にちゃんと通い、学生として優れたアチーブをしたか…ということが審査されます。
これが証明できればビザ更新の際に資金証明の面で優遇されるというわけです。具体的には、「財政証明の残高が2カ月分あればよい」というのがそれです。
ユニ子さんは体を張って学校に通い優良なファウンデーション修了サーティフィケートを取得、IELTSスコアをクリアして学部からunconditional offerを得ているので立派な模範囚ですからこの恩恵にあずかることができます。

模範囚(Established Presence)に該当する人
①現在有効なTier4でカバーされた期間内に、6カ月以上のコースを修了した人
(例:ファウンデーションを終えた、語学学校の予約期間を終えて学校発行の修了書をもらった)
②現在有効なTier4で今現在も勉強中だが、すでにコースの一部を6カ月以上消化している人
(例:3年間の学部課程の1学年を終えたので、2学年目からのビザを更新したい)
③最初の学校で既に6カ月以上のコースを修了したが、Tier4の有効期間がまだ残っているので今現在は別の学校で勉強中の人
(例:セントマのファンデを6月に終えたが、ビザ有効期間が8月まであるので語学学校のIELTSコースに通っている)

日本のビザセンターで申請する場合
④現在有効なTier4を持っている・いないに関わらず、最新のTier 4を取得した6カ月以上のコース修了日から、新しくビザを申請する次コース開始日までの間が4カ月未満の人
(例:ファウンデーションの修了日が6月30日で、学部課程が9月27日から始まる
3年間の学部課程の1学年を終え帰国中で、日本にいる間に2学年目からのビザを更新したい)
なら模範囚優遇措置が適用される(ことになっています)。

しかしながら、先々週「私は模範囚だから」と2カ月分のみの財政証明でビザ申請をした学生が〈入金額が不足〉という理由でRefuse(発行拒否)された事件が東京からレポートされています。ここまで長々と説明しといてそれかいっ!の突っ込みが聞こえてきそうですが、起こったものはしかたがない。本国のBorder Agencyが日課のように変更しまくっているルールが遠いフィリピンの地で働く現地採用の館員に100%正確に伝わっていると期待する方が甘い。自分でどのカテゴリに属するか判断しかねる人は、多めに入れておくことにこしたことはないということでしょう(どのみち消えてなくなるお金ではないのだから)。
英国はマニュアル国家の日本と違い、いろいろなことがケースバイケースで行われる国です。Tierシステムはその「緩み」をなくすために鳴り物入りで導入されたものの、そんなことですぐに全てがマニュアル通り進むようになれば世話はない。お国柄というのは一朝一夕に変わるものじゃないのよね。備えあれば憂いなし、こういうときには十分すぎるほどの準備をしておくのがちょうどいいというものです。

投稿者 unicon : 2010年08月30日 15:22