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2008年10月22日

【この人に聞きました】File6. 小澤深雪さん

Johanna hoプレスのLCF卒業生

 

撮影風景

 London College of Fashion(LCF、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション)卒業生の小澤深雪さんが、ロンドン発のファッション・ブランドJohanna hoのプレスとして活躍中です。1998年に渡英、1999年にLondon College of FashionのFashion Promotion Mediaコースを卒業し帰国。以降ファッション業界でキャリアを積み、2004年から現職です。次回コレクション用ルック撮影のためにロンドン出張中の小澤さんをスタジオに訪ねました。

 「小さい頃から留学したかった」と早いうちから海外に目が向いていた小澤さんですが、ご両親の希望もあり日本で短大を卒業後、2年半成田空港でJALのグランド・ホステスとして勤務しました。「このときの先輩・同僚は誰もが“英語は当然、第2外国語がどれそれで・・・”という世界でした。そんな環境の中、わたしは自分の語学力にいまいち自信がもてないままだったんです。そこで、やはり英語をしっかりと身につけようと決意し、“もう、行く!”と、子どもの頃からの夢だった留学へ乗り出すことにしました。JALの先輩方が皆英国つながりだったので、留学先に英国を選んだのは自然な流れでした。」

 じつは小澤さん、渡英当初は「3ヶ月位の語学留学のつもりでオクスフォードの英会話学校へ入学した」そうです。しかし、すぐに「これでは短すぎる!」と思うようになり滞在延長を決意。「一度社会に出ているのだから今さら英語学校で1年はないな、と思い」大学、専門学校などの高等教育機関へ入学するため学校探しをはじめました。「英語の習得が目的だったので、分野は何でもよかった」そうですが、もともと写真とジャーナリズムに興味があった小澤さんは、写真、とくに報道写真の学べる学校をリサーチ。しかし、やっと見つけたコースは既に満員でした。そこで、ファッションという分野ではありながらも写真がコースの重要な部分を占めるFashion Promotion Mediaに辿り着きました。「PRには全く興味なかったんですよ。でも、ファッションは好きだったし、このコースなら写真ができるのでまあいいかな、と。・・・とはいっても、ファッションの世界はディズニーランドみたいなものというか、好きだからこそ楽しいまま夢の中に置いておきたくて、実際その業界に入っていきたくはなかったんですけどね」という彼女が現在はファッション界でプレスをしているのですから、人生はわからないものです。

Johanna ho 08/09 秋冬のファッション・ショー

 「コースは死ぬほど大変でしたよ。それはもう(笑)・・・10科目くらいあって、毎週なにかの課題のassignment(提出)があるんです。毎日、平均して3~4時間しか寝ていなかったですね。よく遊んでもいたし。学びも遊びも激しくやってました」という彼女。一番心に残る課題は?と聞くと、「全部ですけどねぇ!でも、やはりFinal Projectかな。全科目のなかから3つを選んで好きなことをやる、というものだったのですが、私は写真、Journalism、PRを選び、ヨウジ・ヤマモトのコレクションのプレス・パックを作りました。全部手作りで、それはそれは大変でしたけど、すごくいい出来でした。今でも自分で大切に持ってます」と教えてくれました。

 そうして卒業を迎えた小澤さんは「コース中はとにかく忙しかったので、卒業後の就職についてじっくり考える暇もなく、そのまま」日本へ帰国。学部進学で残ることも考えたけれど、「とにかく英国は寒かった」のと、「一度社会人になっているから、あまり長々学生に戻っていても仕方がない。早く社会復帰しなくてはという気持ちがあった」のとで帰国することにしたそうです。帰国後の職業については、編集者か、PRか、はたまた全くファッションとは関係のない英語を使った仕事か・・・と少し悩んだものの、「せっかくファッションを学んだのだから、この分野でやってみよう。編集者というのは誌上でイメージを作り上げていく仕事なので、現実から遠い。デザイナーの近くにいたほうが“リアル”に近く、もともと報道に興味のあった自分には向いているのでは」という結論に達しました。そこで、最も好きなファッション・ブランドであったComme des GarconsのPRに「募集はしてなかったですけど、勝手に」応募履歴書を送りました。すると「今PRには空きがないが、まずは販売としてやってみてポジションが空くのを待たないか」と誘われ、3年販売を経験しました。

撮影風景

 そんな3年目、このまま販売をやっててもいつ空きがでるかも分からないしなぁ・・・と思っていたところ、たまたま知ったPR志望者のためのセミナーに参加したことが次の転機になります。そのセミナーの主催者の女性から、「このまま待っていてもいつ空くかわからないでしょう。あなたはプレスにとても向いていると思うし、このままではもったいないので、私が直接指導するからウチに来なさい」と彼女のプレス・オフィスで就業することを勧められます。そこで2年勤めることになるのですが、そのときにJohanna hoの担当をしたことが今の仕事につくきっかけでした。退職後まもなく、デザイナーのJohannaさんから直々に「新しいところと契約するから、あなたにぜひ私のプレスとして来て欲しい」という連絡が入ったのです。前職を退職したばかりでしばらく休もうと思っていた小澤さんは何度も断ったそうですが、結局デザイナーの熱意に負けてすぐに現場
復帰、以来Johanna hoのプレス担当をして4年目になります。「カタログや雑誌、広告イメージの撮影のときにデザイナーに任せておくと、アーティスティックになりすぎて自己満足の作品となってしまい、本当の意味での広告として使えない。そこで、撮影現場に来てそれをコントロールするのも私の役割なのです」ということで、定期的に海外出張もこなさなくてはならない多忙な小澤さんですが、Johannaさんとの関係はすこぶる良好なようです。じつは小澤さん、この11月に結婚が決まっているそうですが、ウェディングドレスはJohannaさんがデザインしてくれるとのこと。先日は香港に仮縫いに行ってきたそうで、仕事が国際的だとドレスの仮縫いも国際的?!式の様子をぜひ見てみたいものですね。

撮影風景

 ロンドン留学について振り返ると、「やはり、英語を習得したことは大きかったですね。すごい武器になりました。英語のスキルなくして今の仕事は成立しないのですが、ファッション業界の様々な職種の方(ヘア・メイク・フォトグラファー・デザイナー含め)も、英語ができた方が仕事の幅がとても広くなりますよね。ロンドンが人生の大きな転機になったか?!というと、ウーン・・・よくわからないですけど、(ロンドンに)来ていなければ今の仕事は絶対にしていなかったし、重要な出来事だったとは思います。以来なんだか不思議な縁でここまで来ていますしね・・・」とのこと。

 「今後、家庭や子どもを持つことを考えると、このまま続けていくのも難しいかもしれないので、また別の職業や働き方もあるかな、と思っています。ま、やりたいとさえ思えば何でもアリだと思っているので、あまり難しくは考えていません。こういったフレキシブルな考え方はロンドンに来てタフになったからこそ身についたのかもしれませんね」と今後の展望を語ってくれた小澤さん。さらなる活躍が楽しみです。

 
 
小澤さんとスタッフ(たまにJohannaも)による、プレス裏話や店頭情報などのブログを公開しています。
ロンドンでの撮影風景やレポートもありますので、是非チェックしてみてください!
OFFICIAL HP http://www.johannaho.jp

 

<写真解説(上から)>
1.今回お邪魔したスタジオでの撮影風景(左奥が小澤さん)
2.Johanna ho 08/09 秋冬のファッション・ショー in Tokyo Fashion Week
3.撮影風景2
4.撮影風景3

投稿者 unicon : 12:54

2008年07月22日

【この人に聞きました】File1. 上田美和さん

LCC卒のジュエリーショップオーナーが留学体験談を出版(ゆにこんも登場します?)

上田さん(Miwaris Jewellery店内にて)

 London College of Communication (LCC、ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーション)卒業生の上田美和さんが留学体験記「29歳!運命のイギリス留学」(今井出版)を出版しました。

 上田さんは2001年、ブライトンでの語学留学を経てロンドンへ上京。LCP(London College of Printing、現LCC)で当時開講されていたAccess to Display Designに入学(現ABC Diploma Display Designの前身)。その後ビジネス系の勉強のかたわらロンドンでアルバイトも経験し、計3年半の留学生活ののち帰国。地元・島根県は松江に戻りジュエリー・ショップ「Miwaris Jewellery」をオープンしました。

上田さんの著書


 2008年6月末には夢だったジュエリー・カフェもオープンさせ、地場起業家として活躍しています。カフェ・オープンの当日は友人のアーティストがライブイベントを開催するなど、大勢の来客で盛り上がったそうです。「これから少しずつ地元での認知度を広め、皆様にゆったりとくつろいでいただけるスペース作りを実現していけたら」と語る上田さんは、今世間で注目を浴びる「東京以外で活動し、地域に根ざした文化を創る若手人材」の好例です。

 外国語大学の英語科卒業後、商社・インテリア関係企業でのOL生活をしながら「将来ヨーロッパからの輸入家具や、インテリア雑貨を扱うショップをオープンしたい」という夢を持っていた上田さんがイギリスに留学したのは29歳のときでした。上田さんは自著序文でこう振り返っています。
「留学当初、私は29歳!30歳を目前にしての留学には色々な思いがありました。夢を諦めたくない、30歳はイギリスで迎えたい、行くなら今しかない!様々な思いを抱えていましたが、これだけはいえることは当時の私には、その時、そのタイミングで渡英することが何より自然なことに思えたのです。」

miwaris cafe

 そんな上田さんが3年半を英国で過ごした後、どういう風の吹き回しか地元の松江にジュエリー・ショップをオープンすることに・・・。「え、なんで?!インテリア雑貨はどうなったの?そしてどうして松江なの??」・・・続きはぜひ、本を読んでみてください。


Jewellery

以下は上田さんからのメッセージです。

 「イギリス留学の経験から生まれたジュエリー・ショップ。たくさんの偶然の出会いが形になり、夢の実現につながりました。イギリスでお世話になった全ての人に感謝しながら毎日新作ジュエリーをお作りしています。カフェスペースを備えたミワリスジェエリー。ジュエリーを選びながらお茶とスイーツも楽しんでいただける癒しの空間です。お近くにお越しの際は是非お立ち寄りくださいませ。」


店内の様子

<上田さんのお店>
Miwaris Jewellery
ショップHP http://miwarisj.com/
〒690-0843島根県松江市末次本町30
tel&fax 0852-27-5829
e-mail   miwaris@nifty.com


<上田さんの留学時代のブログ>
29歳!運命のイギリス留学 http://ameblo.jp/milkrose

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