2015年05月01日
PAEP(ぱえっぷ)回想記:地獄で仏か?
PAEPのフルネームはPresessional Academic English Programme
ロンドン芸大の学部課程や大学院課程から‘仮合格’をもらっているが、英語スコアが入学基準に達していない残念な方を対象にした有料の英語コースです。
本番コース開始前に行われ、受講希望者は現存の英語スコアの低さに比例して8週間コースか12週間コースに振り分けられます。
この英語コースは露骨な保証こそしていませんが、(コース終了時の内部テストでこけない限り)在籍中に無断欠席や遅刻、不真面目な態度などのわかりやすい『罪』を犯さなかった学生を地獄沼から救い上げてきました。まぁ、分かりやすく言えば‘下駄ばきコース’です( ‘下駄箱コース’と言い間違える方が結構多くいらっしゃるのですが、これは英語以前の問題かと思われます)。
そんな『地獄に仏』とも言えるコースでありながら‘下駄ばき’という、ややアンビギュアスなイメージが拭いきれないせいか、これまでPAEPに関する体験記が語られることはありませんでした。ところが、つい数日前のこと、現役ユニ学生の一人からPAEP体験記がユニコンに届けられたのです。
その方の名は山崎正美子さん。2014年度のPAEPを受講し、現在セントマーチンズのMA Narrative Environmentsで健闘中。
山崎さんのウェブサイトはこちら♪⇒ http://cargocollective.com/mymamiko
(CSMのMA Narrative Environmentsに興味のある方要チェック!南仏ニースでのプロジェクトだなんて羨まし~ぃ♡❤)
遠い昔(と言っても1年くらい前だけど)、「無事に進学できたらPAEPの感想を聞かせてくださいね」とお願いしたユニコンを覚えていてくれたのですね。ありがとう。
ユニコンは授業料が決して低からぬPAEPの受講をみなさんに積極的にお勧めする気は毛頭ありません。しかし、もう前にも後にも身動きできない地獄沼でもがいている方にとってはこれが最後の命綱となることは否めません。山崎さんの率直なコメントがどなたかの地獄沼脱出の助け舟になることを祈ってここにご紹介いたします。
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私はセントマの大学院コースからConditional Offer(条件付きの仮合格)を得ていましたが、要求されているIELTSスコアは6.5(各バンドが5.5以上)。自力では間に合いそうもないのでPAEP参加を決めました。
受講したのは第2ブロック(2014年7月2日~8月29日の8週間コース)。クラスの9割は中国本土からの学生で、授業の合間は常に中国語が飛び交っていました。残りは韓国人や台湾人、日本人で占められ、これ以外の国籍の人を見ることは稀でした。
PAEPの授業の厳しさはチューターによって違うようですが、私のクラスの先生は大変優しい方でした。
宿題(reading)はほぼ毎日出ます。また、8週間のコース期間中に2本の大きな宿題(writing)が出ます。私は進学先がMAなので 1000 wordsと 1500 wordsのものがそれぞれ一本ずつでしたが、BA進学者はもう少しワード数が少ないかもしれません。
コースでは英語学習と同時進行の形で‘London Project’と題されたクリエイティブプロジェクトも行われます。これはグループワークによるアート&デザインの実践的プロジェクトなのですが、特徴的なのはこのプロジェクトの目的が作品の評価ではなく、プレセンテーションそのものがspeakingのテストになっていることです(とはいえ、作品自体もコース終盤で行われる校内展示会に出品され、優れた作品は表彰されました)。
PAEPコースの終わりにreadingとlisteningの内部テストが行われますが、これはかなり難しかった。
公式IELTSテストよりreadingの文章が長文だし、listeningの内容はBBCのアート番組からの抜粋なのでスピードも公式のものより速かったように思います。
テスト結果は公式IELTSテスト同様、4バンドで出されます。各スコアがロンドン芸大の入学基準スコアより低い人には‘再試験’が課せられます。再試験する価値も無いほどひどいと判断された人に対しては容赦なく帰国命令が出されたという噂を後で聞きました(噂ではありません…by ユニコン)。
さて、PAEPの最終テストを無事通過した私は意気揚々とセントマの大学院課程の門をくぐりました。しかしそこで認識したのは、そこで飛び交う英語がPAEP時代のそれとは全く違うレベルものであったことです。
東京のユニコンさんがことあるごとに「英語、英語!!!」と吼えていた理由が嫌になるくらい分かりました…。
まず、教授のスピーキングの速さが違う(PAEPの先生たちはゆっくり話してくれた)。
そしてクラスメート(ほとんどがIELTS 7.5以上)の英語も全然違う。PAEP時代の同級生は当然ながら似たり寄ったりの足りない英語レベル。足りない者同士だったからこそ、会話もスムーズに進んでいたのです。
セントマは英語学校じゃないから、当たり前ですが授業はネィティブスピーカーのレベルに合わせて進むので、PAEP出身学生は着いていくのが大変です。その大変さは本コースが始まって7ヵ月経った今でも変わりません。現実に私の周囲にはグループワークやディスカッションに着いて行けてない人が何人もいます。
ただ仲良く話すだけの英語と、ディスカッションで戦えるだけの英語力って本当に違いますね…私ももっと頑張らなければなりません。
そんなわけで、今もほんとに大変は大変なのですが、コースリーダー(教授)のしっかりしたサポートのおかげで何とか楽しく過ごせています。
PAEPへの参加はもちろん私の本意ではなかったけれど、これが無くては同年のうちに大学院に進むことはできなかったし、PAEP時代の友人と今でも繋がっているおかげでカレッジや専攻のボーダーを越えた活動が出来ることは大きな収穫です(何せ、英語のレベルが近いので色々共感出来ます、笑)。
こちらに来て本当に良かったと思っています。入学までの色々、本当にありがとうございました。日本に帰国した際にはぜひ事務所に寄らせてください。
それでは〜!
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↓↓↓2015年度のPAEP情報はこちら↓↓↓
http://www.unicon-tokyo.com/event/archives/2015_PAEP.pdf
↓↓↓Tier 4 申請に必要な英語テストは〔IELTS for UKVI Academic〕のみになりました。情報はこちら↓↓↓
http://www.unicon-tokyo.com/event/archives/2015/04/tier_4_ielts_fo.html
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