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2009年06月26日

【コース体験記】Artscom@CSM オリエンテーション 西久保まりさん


日本では総合政策学部を卒業して普通の会社に就職。平凡ながら安定した毎日の生活に不満があったわけではないけれどいつのころからか3Dデザインに興味を抱くようになった私は思い切ってロンドン芸大のインテリア・コース(Graduate Diploma in Interior Design)
に申込みました。このコースが当時の私の興味に最も近く、かつ、『専攻学科がアートでなくても大卒でありさえすれば申し込める』ただひとつのHEコースだったからです。

アートのバックグラウンドは特に無くてもいいとは言われたけれど、実際のところを聞くと在学生のほとんどは建築学科か建築デザインを専攻した者か就業経験者だと聞き、私は不安になりました。実はそれ以上に不安だったのが、1年もの長期間をかけてがんばれるほど本当にインテリアの勉強を自分が好きなのかという心の迷いでした。留学プランを決行するとすれば会社を辞めて行くことになるのですから、入学した途端後悔するようなリスクだけは冒したくありません。
ユニコンの方に相談したところ紹介されたのがオリエンテーション・コースでした。英国の高校生が2年間かけて修了するアート&デザイン課程を外国人用に9週間にメチャ詰めしたポートフォリオ・コースだと説明されました。
ユニコンの方の言い分は次のようなものでした。
「忙しいコースだから寝る時間も不足するだろうが、疲れても寝不足でも君が面白いと思って9週間が終わったら、1年コースに行っていいんじゃないか?逆に、9週間すらもたなかったら、残念だけれどそれは君にロンドン芸大式アート学習が向かないってことだからしかたないね。それでもわけわからずに1年分の授業料をドブに捨てるリスクだけは避けられて良かったという結論になるだろう」
確かに。それに、いずれどこかできちんとしたアート&デザインの基礎勉強をしたいと思っていた私にとって9週間限定のオリエンテーション・コースは「渡りに舟」でした。

 
コースは基本的に「1週間1分野」のペースで進みました。
最初の2週間はLife Drawingを中心に、『Identity Project(自分という人間を表現するプロジェクト)』と美術館訪問授業が行われました。
 

3~7週目は、Fashion/Textile、Theatre/Performance、3Dデザイン、Fine Art、Graphicsの5つの分野の勉強。8週目は再びLife Drawing。
この8週目に『London Project』の展覧会と、「自分にとってのLondonを表現した作品」についてのプレゼンテーションが実施されました。
最後の9週目はポートフォリオを完成させるための時間で、最終日にはセントマーチンズのファウンデーション・コース入学のための内部面接が行われました。


 
コースはこのように、Life Drawingから始まり、Life Drawingで締めくくられたわけです。内容が濃い分、授業のスピードが速くて、何においても人より行動が遅い私にとって作品提出の期限を守ることが一番の苦労でした。

クラスでは「自由であること」がとてもリスペクトされるせいか、課題テーマこそあれ、私たちは好き勝手な発想で作品を作ることができました。あれこれ考えながら1日中作品づくりに没頭できることがとにかく楽しかったし、クラスメートがどんな発想でどんなものを作っているのか見るのも楽しみでした。はじめは人に自分の作品を見せることに抵抗を感じていた私ですが、慣れてしまうと互いにコンセプトや作品を見せ合うのが自分の作品づくりの上で大きな刺激になることが分かりました。Tutorは分野ごとに変わるのですが、3DDのTutorが自己紹介で「私は本当にDesignが大好きなの」と話していた時の熱く燃えた眼、『London Project』展覧会で見たクラスメートたちの情熱と会場の熱気は今でも心と肌に焼き付いています。

 

そして、オリエンテーションを終えた時、私は1年コースへの入学を決心していました。ただし入学先はGraduate Diplomaではありません。

オリエンテーション期間は私に「考える」ことを教えてくれました。
一日中作品に没頭するのは確かに楽しい、でもその一方で「この作品を作ってこの先どうなる?」と考えてしまう。同じ留学なら自分のバックグラウンドや経験を生かしやすいアカデミック方面に進んだ方が「得」なのではないか。「好き」と「得」の間で心が何度も迷いました。
答えを導き出してくれたのがオリエンテーションで過ごした時間です。私はオリエンテーションのフィロソフィを最も強く受け継ぐセントマーチンズのファウンデーション・コースを1年間の留学先に選びました。それが一番やりたいことが出来るところだと思ったから。

友人に自分の選択を伝えたら「それが一番その後につながる道だ」と言ってくれました。どんな結果になるかなんてわからない、けれど、自分の手で道を切り開くことに挑戦したいという気持ちの方が今は強いのです。

※ここで紹介している作品は、同じくオリエンテーション・コースを修了した佐々木君のものです

投稿者 unicon : 16:14

2009年06月15日

【コース体験記】Artscom@CSM Typography 市川まさやさん

●●●●行った●見た●やった ●●●●

★☆ 私、セントマのショート・コースに行ってまいりました☆★

大阪のプロの実力見せたるで ******











ロンドンのあちらこちらでサクラの花が暖かな季節の到来を告げる2009年4月、関西から4人の若者がヒースローに到着。噂のセント・マーチンのEaster School(春休み)ショート・コース(1週間)に参加するためだ。4人とも年の頃は20代後半。うち3人は大阪のデザイン会社で働いている。この未曾有の不況時だからサバイバルを賭けて寝る間も削ってクライアントの間を駆け回っている。そんな忙しいスケジュールをやりくりしての渡英だ。

昔New Yorkなんかに行ったときは「まーここはここで良いんだけど、こんなもんかなー」みたいなレベルの感動で、「じゃ、ロンドンって?」と以前から強い関心を持っていたのだ。
全員、英語はお話にならないレベルだが、Never mind!日頃のハードワークのおかげで皆、体力だけは自信がある。英語なんか出来なくたってそんなもん、どーちゅーことない。俺らには世界共通のワザがある。大阪のプロの実力、見せたるでー。待っとけよ、セント・マーチン。



そして ●●●●●●

コースを終えて帰国した4人からユニコンに旅日記が届きました。“未知との遭遇”的反応がおもしろかった。超ストレートなコメントも心を打ちました。内輪(ユニコン)だけで楽しむのはもったいないのでホームページで紹介することに勝手に決定。涙あり喜びありの2009年版浪速男の青春アンソロジー、お読みください。関西トクユーのど根性だけで彼らはいかにコースを乗り切ったのかー?

●●第一回目の語り手はMr Masaya ICHIKAWA●●
参加したコースは“TYPOGRAPHY”

私が受講した“タイポグラフィ”はプロフェッショナル向けのレベルで特に『文字の扱い方』に的を絞った内容でした。かなり専門的なせいか、他の受講者も大半が母国でプロとして働いているデザイナー達でした。タイポはグラフィック・デザインの中でも重要で奥深い分野ですが、コースではその基礎部分に焦点を当てている印象を受けました。

午前中の授業
メーンのレクチャー(講義)ではプロジェクターを使用して次のようなことを学びました。

●クラシック・フォント(英国・ドイツ中心)の現在に至るまでの歴史や扱い方

●お勧めの文献

●デザイン・ワークの上での実用的なフォントの紹介やWEBサイトの紹介

 

tutor

午後の授業

午後は実技。ディスカッションを交えながら課題中心に進められました。
課題は1日につき3つくらい出され、それぞれを1時間くらいで仕上げます。完成すると壁に貼り出し、チューター(先生)が評価やアドバイスをしたり生徒同士での感想や意見の交換があります。時間切れで完成できない課題であっても(未完のまま)評価されるので時間的に忙しい思いをしました。


 課題はすべて『手作り』。そのままの意味です(PCを使わない)。最初の課題は昔のFontの作り方で、手書きによるタイポ製作のノウハウが新鮮でした。でも最終段階に入ると実践を重んじる自分としてはPCを使いたい気持ちでいっぱいでした(ひとつの課題に割り当てられている時間が短いので手書きでは時間を取られすぎて完成するのが難しい)。PCを使えば同じ時間で数パターン作れるのだが。







活版印刷(Letter Press)のメタルタイプ

活版印刷(Letter Press)作業中


タイポの1週間は、
手書きによるタイポ製作のノウハウ ? 課題実践 ? タイポのみによるポスター製作 ? LOGO製作 ? 昔の活版印刷機(Letter Press)を使用してのワークショップ ? クラスメート全員による合作
という流れで怒涛のように過ぎました。



もったいない

 とにもかくにも、『英会話力』ですね、やはりってゆうか。僕の場合はコース・チューターが優しい人で別途で易しい英語で説明してもらえたから良かったようなものの、課題中心の授業なので課題のテーマを理解できないまま放置されていたら大変だったでしょう。いちいち隣の人に聞くのも大変です。課題作品は完成の都度壁に貼り出してチューターの評価とアドバイスを受けるのですが、それを理解できないのがまた辛い。褒められているのは雰囲気で解るのですが、どこがどのように良いのかが理解できない。どうすればもっと良くなると言っているのかが解らない。もったいない!と心底思いました。チューターはイギリスでデザイナーとして有名な方だったので、なおさらもったいないと思いました。

もったいなかったけど

でも、この英語のハンディの分を差し引いてもコースから得られたものはとても大きい。いくら英語が理解できないと言っても、身を引き締めて聞いていれば動物的感覚である程度は解ります。



日本はアルファベットの国でありません。でも僕が仕事で依頼されるのはアルファベットを使ったデザインばかりです。それが本場のコースでアルファベットの“歴史”や“ルール”に触れることにより、少し成長できた気がします。

アセスメント風景
ロンドン、待ってろよ、また来るから

言葉が出来ないからこそ皆の何倍も頑張らなくてはいけない。英語不能者でも僕は常に全身全霊でクラスに参加しました。そんな頑張りは言葉を越えて皆に伝わるのですね。優しくしてもらって友達もできました。

ある時、なぜか、チューターが急に僕の肩を抱いて、「Masayaは英語が不自由なのにこんなに頑張っている。本当に勇気がある」みたいなことを言うと、みんなが拍手をし始めて「very well」コールが湧き上がりました。泣きかけました。

このコースから得たものは技術・知識だけではありません。なんていうか、過去の自分と決別できたというか、自分に勝った、みたいな。素晴らしい達成感でした。人間はこうやって成長するんじゃないかと思いました。これだけ緊張感を持って頭フル回転させて必死になること、国内でフツーに暮らしていたら絶対経験できないし、流されて生きているだけではこういう状況は訪れませんから。

英語を話せるようになりたい!という気持ちは尋常じゃなかったです。そう思うようになったことも嬉しいです。ここでの経験をすれば誰しもきっとそう思いますよ。英語を話せたら自分の世界が何十倍にも広がるってこと、体で実感できますから。今度また行く日のためにエイゴの勉強始めたんですよ。

これからも頑張ります。チャレンジします。

タイポスタジオ


投稿者 unicon : 11:38

2009年06月03日

【コース体験記】Artscom@CSM Digital Photography 藤原ゆうすけさん

●●第二回目の語り手はMr Yusuke FUJIWARA●●
参加したコースは“Digital Photography”


到着の夜

すごいぜロンドン。全然有名じゃない地味な街角だってどのアングルから捉えてもどこからどこまで素晴らしい被写体だ。すっかり興奮してしまってホテルにチェックインするなり外に飛び出したオレ達4人は深夜までロンドンの街を歩き回った。生まれて初めて来た国なのに、なんかずっと前から知っていたような気がする。デジャヴって言うの?初めて乗った地下鉄だってとても懐かしい気がした。ロンドンよ、お前はこんなにもオレのことを待っていてくれたのか。

ロンドンに来られたこと、それが期待より200%以上イケてる街だったこと、何を見てもどこを歩いても嬉しくて感動したこと。あれやこれやが頭の中でメリーゴーランドしちゃってすっかりハイになったオレはこの夜なかなか寝付けなかった。一目ぼれの恋だった。




初日


話には聞いていたが、ホントに日本人はオレだけなのを確認して一瞬クラッとした。クラスの総勢は15名。女性の数のほうがやや多い。

カメラの使い方などの簡単なレクチャーの後‘テーマ’に沿った写真を見せながら写真の特徴に関する学習がすぐに始まった。プロジェクターを利用してクラス全員で鑑賞する。shooting(撮影)方法(ApertureやShutter speed)を基にした課題が与えられた。最初の課題は大英博物館の外と中を撮ることだった。英語なんかできなくても大阪仕込みのガッツとオレのカメラ技術にモノを言わせればまぁオッケーだろうと思ってきたが、あまりにも英語が分からなくてこの日の夜はさすがのオレ様もホテルに戻るなりベッドに倒れこんだ。

British Museum

二日目

昨日と同じような流れで異なるテーマの写真を見ながら特徴について学習。その後街に飛び出して写真を撮る。テーマはtextureやパターンなどの特徴だ。

ロケ・ハンティング途中、ユニコン・ロンドン事務所に寄ってみた。社長は事務所の裏庭でタバコを吸っていた。この辺りの地域は建物内での喫煙が法律によって禁止されているらしい。裏庭って言うとちっちゃい感じがするが、樹齢何百年?みたいな大きな木々が立ち並ぶ広々としたガーデンだ。

社長と一服しながら自分がいかにロンドンにコーフンしているかを熱弁するオレの眼の前に薄茶色の丸っこくてフワフワしたものが飛び出した。「リスだよ」って、なんで人間の前にわざわざ飛び出して来るんだ?ふつー逃げるだろ。て、しかも座り込んでオレ達をじぃっと見上げている。「エサくれるの待ってんだよ」エーッ、じゃコイツは『飼いリス』?「まさか。誰も飼っていないよ。この辺りの庭を根城にしてるんだよ。ここだけじゃない。どこの庭にもリスとかハリネズミとか棲み付いている。この前なんかウチの庭の塀の上を小キツネが歩いていたよ。シッポがふっさふさの」

こぉんな大都会の超ど中心に野生のリス?ハリネズミ?キツネ?素晴らしいじゃないか!

三日目

ポートレート(人物)に入る。再びテーマに沿った写真を見せられた後、スタジオを利用してクラスメート同士で撮り合う。お互いに撮り合っていると親近感がグッと増して親しみが深まる。とは言え、相手(ロシア人)に「カメラの使い方を教えてくれ」みたいなことを聞かれたときは、このオレに(英語で)教えろなんて、こいつはどーゆー性格をしてるんだって思ったね。教えられる英語力があればこんなに苦労していないよ。見てりゃわかるだろ?


シルエットの撮影方法やスタジオ撮影の授業が続いた。キャンパスの内部に太陽の光が差し込むスポットを見つけた。反射板を利用して影のつけ方や消し方の授業がその場で行われた。


四日目


 著名カメラマンの名前をリストから選んで2分間のプレゼンテーションをコース最終日(明日)するように言われた。プレゼンって、ひょっとして英語で?不安を忘れるために作業に没頭することにした。まずインターネットなどで人物の写真を選んだ。次にその人物の経歴や作品の紹介ネタを集めた。問題は、オレ自身がその人物に対してどんなイメージを持ったか?というスピーチ(英語)の部分だな。

 午後は今日まで撮り溜めた写真をパソコン・ルームで加工する技術を学んだ。大きなプロジェクターを使いながらAdobe PhotoshopやAdobe Brideの使用方法を学習。ここで学習したことを土台にして、それぞれがパソコン(Mac)で撮り溜めた写真を加工してみた。


五日目

 午前はプレゼン。オレはほとんど夢うつつで自分の番を終えた。それからクラス全員の作品鑑賞会が始まり、最後に皆で一票ずつ投票しあってベストを選ぶことに(トップ賞のやつにはプレセントが用意されてあった)。

夕方5時、コース修了証明書を手に打ち上げ会場に向かう。皆でアドレスを交換し来年もまたここで会おうな、とハグを交わす。あー、明日も学校に行きてー。そしてこの仲間と一緒に写真撮りてー。別れがたくて涙が出そうだった。教室も仲間もロンドンも。


と、まぁこのように超忙しい5日間ではあった。
オレ達4人はそれぞれ違うコースに参加したが、4人ともクラスで1人きりの日本人だった。オレはもちろんクラス一英語ができなかったが、先生達(2人)もクラスメートも本当に親切でシカトされることがなかった。オレが英語できないのを知っているのに話しかけてきてくれる。何とかオレに分からせようと手振り身振り入りで、だ。お昼ごはんにも誘ってくれた。男同士女同士で固まることもなく、みんな仲間、という感じだった。

評価のポイントが日本と随分違うことが新鮮だった。被写体を上手に撮ることは求められない。‘良い写真’とは‘コンセプト’がある写真のことだという。なぜこのように撮ったのかを伝える写真が素晴らしいという評価をされる。オレの場合は英語がだめだから先生やクラスメートが勝手に想像し評価をしてくれた。自分の口で伝えたい、と何度思ったことか。

実は最終日の作品鑑賞会でオレは何と2位の名誉に輝いたんだ。英語もしゃべれない、このオレが、だ。プロのカメラマンやカメラ道の経験者が混じってる中から選んでもらえたんだ。すごく嬉しかった。技術の良し悪しで評価されたわけじゃない、ってことはオレって自分で思っていたより感性が豊かだってことかな。

日本に帰ってこうして旅日記を書いてると、ロンドンに行ったこともセントマの教室で燃えたことも、もう何もかも白日夢だったような気がしたりするし、アイツ(ロンドン)のことを思うとちょっぴり心が切なくなる。結構マジで考えてるんだ。将来絶対ロンドンで暮らすって。で、思い切りあいつの写真を撮ってやるって。

投稿者 unicon : 11:38

2009年06月01日

【コース体験記】Artscom@CSM Textile Design 宇佐美志都さん


■社会人よ、今こそ、学びのとき

ユニコン特製 イングリッシュプラス (語学+アート) を使って社会人短期留学をした宇佐美志都さんからレポートが届きました。


変化の波に忙殺されて周りどころか自分も見失いそうな毎日。。。
そんな時代だからこそ、自分のために時間を使いたいという人は少なくないはず・・・
 
一度座った「就職」という椅子からは離れたくないが、たまには違うものに触れて忘れていた「自分」を探したい人に・・・





 
『英国留学のススメ』 
   社会人よ、今こそ、学びの時期!

 

 

 
■ニュースは読むだけのものではない

 
金融をはじめ、世界が迷宮入りをしているニュースは、2008年秋から沸騰しはじめ、溢れることとなった。日本に住む社会人ならば、おそらく誰もがその怒涛の大波、小波を時間差はあろうが、感じるようになっただろう。円高が進み、輸出に大打撃を受けているという日本経済。そんな時思った、「では、それを上手く活用する方法は?」「まずは、自分を輸出してみよう!」「今こそ、商品の見直し=自分の見直しだ!」

そう思った私は、かねてより、少なからずご縁を頂いていた英国という地に留学し、自分を高めること、試すことを思いついた。そして、その数日後、ブリティッシュカウンシルで手にした冊子の最終ページの広告ページを左手で押さえながら、そこに記載されてある電話番号に連絡をし、翌日、神楽坂のロンドン芸大留学事務局であるユニコン事務所の赤い扉を開けた。
そう、ニュースは、読むだけのものではない。そのニュースの体感者になり、明日のニュースは自分が作る。・・すると、また、ニュースの信憑性にも気付いてくるものだ。
 



 




■日程・コースを選択 
 
「とにかく、日本人は英語が下手!」という事に、現地では定評があるらしく・・・、ロンドン芸大のみの受講予定だった私も、ユニコンスタッフのお勧め通り、ユニコン特製イングリッシュ+というコースを選択し、語学学校の授業も受講する事にした。
セントマ
現在、社会人として働いていらっしゃる方へのアドヴァイスとしては、社会人であったら仕事との兼ね合いもあるので、まずは、自分の限られた時間の中に当てはまる授業こそが、最もご縁がある授業と思い込む!ろいうのも第一歩を踏み出すという意味では大切な事かなとも。そういう中での巡り会いも、ひとつのご縁だと、私は理解している。やっぱりこっち、あ~でも~ない、こーでもない、と、ぐずぐず云っていたのでは、結局、計画倒れになりやすい・・。
100パーセントの計画内容を求めつづけて、またいつか・・となるよりは、80パーセントの計画内容で、120パーセント満喫した方が断然良し!と思っているので、私は、そのやり方を推奨!私は、現在、書家として仕事をしていますが、幼い頃から染色にも興味があり、浴衣のデザインなども行ってきたので、テキスタイルの授業選択。やはり、縁は求めていけば、師や友にも導いて頂けるものなのだ!?





■語学学校での時間
 
私は、月曜から金曜までの9時から13時までの二週間コースを選択。世界各国から来ている(割と年齢の幅もある・・)クラスメイトと、一人の先生との授業。クラスは、あらかじめ、日本から送ったペーパーテストと、登校初日のペーパーテスト及び面接の会話で二日目からクラス分けされた。ロシア、フランス、スイス、ドイツ、サウジアラビア、ブラジル、韓国・・・皆それぞれ母国語の発音の影響を受けた英語をしゃべるので、それが純粋な英国本国の発音の勉強を求めていたのに!と考えると、それらは妨げになるのかも知れない。
語学学校
・・・でも、それらさえも、ネガテイヴに考えない方がいいのかも知れない。そう・・英語は、いろんな国の人が話す、云わば、共有語なので、聞き取り難い英語・・それもまた英語文化の現状なのである。何よりも、柔軟性のある耳になれるという特典は大きいかも!
その中で、英国式発音を聞き分けることも練習にもなる。しかし、英国本国の発音のみを習得したい方は、それらの人に個人レッスンをお願いした方がいいかも。クラスメイトとは、授業が終わっても会ったり、クラスが違う子とも、お茶をしたりした。教室の外の時間も充実していたように思う。






■寮での暮らし
 
ロンドン大学の学生が夏休みの間、母国に帰国したりバカンスに出かけたりして、部屋が空くので、その期間、かなりの好立地にあるその寮を、芸大の生徒も活用させてもらえる。私は、大英博物館近隣の寮に滞在。最高!だった。学校は徒歩だし、(近隣諸国へ行ける電車)ユーロスターの駅、キングスクロス駅へも徒歩。美術館はもちろん、商業地域へも徒歩でかなり網羅出来た。
そして、何より、寮に滞在している学生は、皆、各国のエリート大学や大学院を卒業し、ロンドン大学でMBAなどを習得する為に滞在している生徒なので、賢いし、ちゃんとした子だったのが、良かった。
共有スペースを伴って生活する上では、とても大切なモラルも割りと高かったので、基本的な生活態度が保たれていた。キッチンなども快適に使えた。また、私は寮で、アメリカ人の女の子達と意気投合し、いつも話していた。帰国した現在も、メールやFace Bookで連絡を取り合っていて、留学の宝のひとつ。
寮生活
互いに料理を分け合ったり、互いの部屋に行って、女の子同士の話をしたりするのも楽しかった。





■ロンドン芸大での授業
 
テキスタイルの授業を受講。このクラスは、当たり!の授業だったことを、後から、ユニコンのロンドン事務所の方から伺った。自分でも、毎日、がむしゃらで・・・髪を振り乱す日が続き、どうにか最終日、作品が完成!とても満足の時間だった。

その先生のファンで7年も通っている、他の大学の教授まで居た。レベルは、もちろん高い。そんな中、無謀にも飛び込んだのは、間違いなく私だけだった事を、初日に自他共に確信。それから怒涛の日々が始まった。
芸大授業

液体を使い、化学反応をさせて布を燃焼させる技法もあった為、事故にも繋がるので、知ったかぶりは許されない。高温で沸々と沸く染料も危険だ。講義を聴くという訳ではないので、少しクセのある英語の説明も理解しないと、何も出来ない。私は、書のエッセンスを用いた、今後のテキスタイルへの発展性も見出せ、非常に充実した、学びの時間となった。
また、それとは逆に、ドローイングの授業は、数日前に休校になる事が、メールで知らされ、ロンドン芸大のある種の天と地を体験した。それにしても、数日前に「授業が無くなりました!」という事が、本当にあったので、その辺りは覚悟を~♪




■英国留学のススメ
 
世界経済が鈍化している今こそ、「学問のススメ」であり、「英国留学のススメ」でもある。今まで、日本国内でも、散々!勉強してきた皆さんでしょうから(笑)、円高の今は、英国留学が断然、投資銘柄!?(授業料・滞在費も通常より安価で抑えられる)。それにしても、現在の仕事との両立は工夫が要りそう・・(それは、各自ガンバッテ!)。


それぞれの仕事にもよるでしょうが、私の場合は、朝5時過ぎに起き、日本と、スカイプ(無料のテレビ電話)で、仕事を数時間して、登校。下校後、また仕事、で、やりくりしました。今の自分に、悶々としている社会人の皆さん、スキルアップの為に留学をご検討の皆さん、ぜひ、その一歩を踏み出してみて。人間は、それぞれの環境の中で、生きていかなければならないと思う。今の自分を悔やむ位なら、やらない自分を省みた方がいい。踏み出すあなたを、イングリッシュローズとフィッシュアンドチップスがあたたかく迎え入れてくれるだろう!

~ Hope your success!







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書家 ・文字文化研究者
宇佐美本店(株) 代表取締役社長  宇佐美志都(しづ)
■宇佐美志都   http://www.shizuusami.com
■宇佐美本店   http://www.usamihonten.com
■ブログ(ロンドン滞在記含む) http://shizuusami.exblog.jp/

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