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2007年08月22日

【なに様ブログ】
愛国心って何だろう

このごろ日本からのニュースでよく耳にするのが愛国心に関する話だ。国を愛する心つまり愛国心を子供たちに持たせる教育が必要か否かの議論だけれども、正直政治家の仕事のネタを提供しているだけのような気がする。

自分の生まれ育った国に愛着がない奴はいないと思うけど、自分の回りを見回してみても、毎日のニュースや事件を見てもそんなセンチメンタルな気持ちなどぶっ飛んでしまうことばかりが目に付くのが今の日本だ。

このところっていうか過去においてもず~とニュース紙面を賑わすことと言えば相も変わらず賄賂だの談合だの公機関のからまった汚職問題だ。いまだに日本には多くの越後屋さんだの備前屋だのがいて、お代官さまに金やモノを渡して仕事を優先的に回してもらったり、はたまた補助金を増やしてもらったり時代劇によくあるベタなシーンが現実に生きている。ただ現実には黄門さまだの桃太郎侍などはゼッタイに存在しないことだけがドラマと大きく違う点かもしれない。

また国民には実感の乏しい景気回復を一番謳歌している企業の中に散々バブルを膨らませ巨額の不良債権を生み出し、挙句に国民に全ての負債を丸投げドンした多くの銀行や金融機関がいる。日本では銀行って言えば公機関みたいな印象があるけど要するに利益目的の純粋な私企業なわけで、何故あれほど堂々と偉そうに国民のお金をピンはねすることができるのだろう。そんな人たちが日本では尊敬され、それなりの地位にいて国の運営を担っているわけだ。一般の人々がそんな国をどうして愛することができるのだろう。

日本人留学生の立場で言えば、おそらく殆どが日本と言う国にお世話になっているなどとは感じていない。留学生の多くが日本大使館や領事館の場所さえ知らない。留学生などは日本政府からみれば取るに足らないどうでもいい存在なのか奨学金はもとより集える場所もなければ有益な情報を提供するといった公的サービスは殆どない。他方日本に留学する多くの学生(その殆どが中国人学生だが)には、奨学金はもとより留学生用の宿舎だの情報センターだの我々日本人の税金で多大なサービスを提供していることに比べれば雲泥の差だ。こんな国をどうして日本人留学生が愛することができるだろうか。

愛国心って持てと言われて持てるわけはなく、自然に生まれてくるものだと思う。人間たとえば一宿一飯お世話になれば、恩にも着るしそれに報いようともする。そんな実感のない多くの留学生たちに国を愛せよといっても無理だし、まずは目に見える形でさまざまなサービスや情報を提供し、彼らの就学をサポートするべきだと思うのだ。パスポートの更新のときぐらいしか存在意味もなく、おまけに多大の費用を要求するのでは農民から年貢米を搾取するピンはね代官となんら変わらない。

多くの日本人がサッカーや野球などのスポーツに熱くなるのはなぜだろう。それはスポーツだけが本当の意味でズルや不公平のない世界と映るからかも知れない。つまり正直に一生懸命自分がやれば、越後屋さんや備前屋みたいに裏から手を回さなくとも、黄門さまや桃太郎侍の助けを借りずとも、正当に評価されるという実際の日本社会では決して起こりえない真実がスポーツだけにはあるからだと皆が感じているからかもしれない。

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