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第02話:福子イギリスに目覚める
時は流れ、バブルなんかとっくにはじけていたのに気分はまだまだバブリーな1998年。ああ、あのカネはどこに行ったの?
熊子さんは大学を卒業してそのまま地元熊本の地場企業に就職。これからしばらくの間、熊本に埋もれることになる。
静子さんはアタックNo.1な中学3年生。熊本に比べれば静岡ははるかに東京に近いとはいうものの、都心の灯はまだまだ遠かった。
さて、第一話では8歳児だった福子さんも高校生になっていました(福岡で)。
福子さん (1998年頃:高校生)
留学してみたいとは思っていたものの、わたしにとっての外国といえば断然アメリカでした。こう言っても首都圏の人はなかなか信じてくれないのですが、田舎では海外といえばとにかくアメリカ、外人といえばアメリカ人のことを思い描きます。なので、当時は「留学=アメリカ留学」という図式がごく自然に頭の中にできていました。ヨーロッパというと、「どこか遠いところ」「なんか、外国」という意識しかありませんでした。
ところが、1997年5月2日、英国でブレア政権発足。その夜のニュース・ステーション(久米宏)でトニー・ブレアの等身大パネルを見て衝撃を受けました。足を一歩前に踏み出してネクタイが風になびいている、颯爽としたスピード感のある写真でした。「おぉーっ、かっこいい!!こんなかっこいい若い人が首相になるなんて!!!イギリスってすごい!これが外国=アメリカという腐ったような図式が自分の観念から抜け落ちた瞬間だったのでは?
静子さん(1999~2000年:高校生)
高校生活も半ばを過ぎると、友達、先生と進路の話をするようになりました。英語が好きだったし、英語を喋れるようになりたいと思っていたので、日本の外国語大学を目指して勉強していました。外国語大学といっても幾つかあるので、その中でどこがいいかを知るために、気になる大学いくつかについて調べました。けれど、在学生の話を聞いてみると、「あまり楽しくない」、「英語は喋れるようにならない」、「みんな休学して留学している」といったあまり満足していない声が多数聞かれました。それを聞いて、日本の外大に魅力を感じなくなり、どうしたものかと途方に暮れていました。
そんな折、部活の先輩が卒業後にオーストラリアへ留学したことを聞きました。それまで「留学」という選択を考えたことがなかったので、なんだかショッキングではあったけれど、そういう道もあるのか!と道が開けた気がしました。
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