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第16話:キングスの虜
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キングスの格子なき牢獄でサバイブを続けるも、日本の大学ではほとんどお目にかかることがないキングスの締めっぷりにさすがの象の胃袋も収縮気味? 前号に引き続き、静子さんの地獄変パート2です。
●●レクチャーとセミナー●●
European Studiesと選択科目の授業では、レクチャー、セミナー、レクチャー・レビューが週1時間ずつあります。
●レクチャー
丸1時間ひたすらノート取りです。集中力が切れるとレクチャラーの声が右から左へ抜けてしまうし、ちょっとでも話の流れを見失うと復帰できなくなるので本当に苦痛の1時間です。ほとんどのレクチャラーはレクチャーの録音を認めてくれます。私も初めのうちは全レクチャーを録音していましたが、慣れとは恐ろしいもので、少しずつ分からないことに慣れていき、ついには「ま、いっか~、なんとかなるさっ」と手抜きの味を覚えるようになりました(それが勉強のコツをつかみ始めたということなんだ、とユニコンの人は言ってましたが)。
●セミナー
(各自がリーディング・リストにある文献を既に読んできているという前提で)文献とレクチャーについて、クラス全員+レクチャラーで意見交換(ディスカッション)します。このリーディングが毎回すごい量。読んでも全て理解できたことなど一度もなく、コース中は常にリーディングに追われていました。
しかも、私が入学した年は仲間がたった9名、そのうち選択科目のInternational Relationsを選択したのが4名。おかげで授業では発表の順番が必ずまわってきちゃうし、本を読んでいないとすぐにばれるし、さぼればクラス討論が先に進んで一層ラビリンスに迷い込んじゃうし。それだけではありません。1人が休むと残りの3人の重責が増えるので迷惑がられて恨まれますから、サボろうにも怖くてサボれないというのが実情でした。
結局のところサバイブする秘訣は:レクチャーを頑張って聴いてノートを取る→リーディングを頑張ってなるべく進める→セミナーで討論の繰り返しに頑張って耐える、の〔頑張って〕しかありません(まったく秘訣になっていませんね)。
1年間、休まずの全力疾走。疲れました。
▲▲レクチャー・レビューとプレゼン▲▲
▲レクチャー・レビュー▲
レクチャー・レビューは留学生向けFoundationコース特有のもので、アカデミック英語担当教師と一緒に講義内容を復習します。理解を深めるためです。学部に進んだら当然こんな親切なサポート授業なんかないので(全過程を自力でやらなくてはいけなくなる)、その時に備えての訓練です。
▲プレゼンテーション▲
クラスがあるごとに交代でリーディング内容やレクチャーについてのプレゼンをやらされるのだが、これも大変(ほんとに大変)。所要時間は5~10分と短いので楽なように見えますが、短時間内に要点をまとめる作業の方が困難なので準備にかなり時間がかかりました。
◎◎Assessed Essay(定期課題論文)◎◎
授業と宿題だけでもぱんぱんなのに、更にAssessed Essay(論文提出)というやっかいものが1年中つきまといます(こやつは成績に大きく関わります)。コース開始3週間目にすでに第一回目のお題が発表され、以後2~3週間ごとに1000単語くらいの課題が出され続けました。休み明けが提出日だったりするので、土日も長期休暇もあってないようなものでした。
エッセイを書くコツは習うのですが実際に書くとなるとなかなか進みません。何をどうやって書けばいいのか…要領がつかめなくて困りました。その結果、初のエッセイは「D」判定(ぎりぎり可)という、生まれてから一度も取ったことがない成績。えっマジで?苦笑いしようとした口元が引きつりました。
それでも数をこなしていくうち、課題は違ってもパターンやコツは同じなので次第に上達していき、コース修了時にはBを取れるようになっていました。
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